そしてにわかに新たな恋も
そしてにわかに新たな恋も
9月頃
新たな出会いのようなもの
があり
うきうきと
にやにやと
心踊る日々がやってきた
職場関係の人で
ふたりで過ごす機会もあって
自己開示力の高い人
と思った
でもまぁ
そんなに
興味を持たれている気もしないし
こちらとしては
気になる存在
ではあったけれど
でもまぁ
そんなに
興味は持たれてなさそう
基本は他店舗の人で
こちらの店舗に来ていたのは
9月から週一程度
転職をするそうで
もう会う機会もあまりなさそうだし
もうすぐ引っ越し
でも12月以降も月一位は副業として
そう話していた
短い期間でしたけどお世話になりました
と言っていて
さみしくなるねー
なんて話した
最後の日は
朝から変で
ああ
自分は
凄くさびしい気持ちに襲われているんだ
そう思って
少し
沈んでいた
それでも
連絡先は聞かない
そう決めていた
もう追いかける恋はやめた
また出会うべきなら
きっと神様が会わせてくれる
それがなければ
もうおしまいでいい
恋は
努力じゃなくていい
恋は
成り行き任せで
頑張るのはやめる
追いかける恋はやめた
そんなに強く激しい恋心ではない
ほんのり
気になる
そのくらい
そのくらいの好き
今の私には
ちょうどいい
ほんのりの
好き
引っ越したはずなのに
翌週も来ていた
私は休みの日で会えず
その翌週もまた
引っ越しは?
しましたよ
仕事は?
来週から
そうなんだー
とりとめのない会話
それでもなにかが変わった
そんな気がした
ねぇ私に会いたくて来たんでしょ
なぁんてね
それでも
発言も行動も視線も
なにかが変わった
ねぇ私のこと好きになったんでしょ
なぁんてね
それでも
まっすぐに見つめる視線が
ああ
こんなふうに男の人に見つめられたのは
あの人以来だ
そう思わせた
何度か寒いと言っていたら
手あったかいよ
って手を差し出してきた
その手に触れたい
手がそう言ってる
ちょっとさわって
男って手あったかいよねー
と言って離した
その手がまだ
名残惜しそうに
もっと触れていて
と言っている
仕事の練習をして教わる
手はこの位置だよ
ここに手を重ねて
その手で触れられたい
手がそう言ってる
その手に手を重ねた
甘い誘惑
お迎えの時間が迫ってばたばたと先に帰った
この恋に続きはあるだろうか?
まぁなくてもいい
恋は成り行き任せで
それでも
私には
貴重な感覚だった
この数日後に
手を繋ぎたいと思われる相手でありたかった
と
思い出して
泣くのだ
まだまだ捨てたもんじゃない
その手に触れたい
多分
そう思われた
そう想われる存在でありたいと願った私に
神様がくれたんだ
この貴重な経験を
大丈夫
またきっと
願っているような
恋が
やってくるよ
愛される
よろこびが
やってくる
私のもとにも